後回しは厳禁!オフィス・店舗のネット工事を真っ先に手配すべき理由

新しく会社を設立する、あるいは念願の店舗をオープンする――。

物件が決まると、内装のデザインや家具・什器の選定、求人広告の手配、チラシの作成など、やるべきタスクが山積みになります。そんな怒涛の日々の中で、多くの開業オーナーが「とりあえず後回しでいいか」と油断しがちなのが、「インターネット回線と固定電話の手配」です。

しかし、断言します。通信インフラの手配を後回しにすることは、新規開業における最も危険な落とし穴の一つです。最悪の場合、「オープン日を迎えたのに、ネットも電話も繋がらない」という大失態を演じることになりかねません。

なぜ、オフィスや店舗のネット工事を「真っ先」に手配しなければならないのか、その理由をプロの視点から詳しく解説します。

1. 光回線の開通には「物理的な時間」がかかる

スマートフォンの契約であれば、ショップに行けばその日のうちに使えるようになります。しかし、オフィスや店舗に引く光回線(固定回線)はそうはいきません。

光回線を利用するためには、電柱から建物内へ光ファイバーを物理的に引き込み、室内に専用の機器を設置する「開通工事」が必要です。

  • 申し込みから開通までの目安は「1ヶ月」: 通常、申し込みをしてから工事日を迎えるまで、早くても2週間から4週間ほどの期間がかかります。
  • 繁忙期は2ヶ月待ちのケースも: 特に3月〜4月の引越しシーズンや、地域の開業ラッシュが重なると、NTTの工事予約が完全に埋まってしまいます。この時期に手配が遅れると、工事が1〜2ヶ月先まで入らないという事態も珍しくありません。

物件の賃貸契約を結んだら、内装工事よりも前にまず回線の申し込みを済ませるのが、スケジュール管理の鉄則です。

2. 登記や名刺、HP作成には「電話番号」が今すぐ必要

起業や開業の手続きを進める上で、早い段階で必要になるのが「固定電話番号」です。

  • 法人登記の信頼性: 法人を設立する際、登記する電話番号が「個人の携帯番号」だと、銀行口座の開設や融資の審査で不利に働くことがあります。
  • 販促物の作成: 名刺、会社のパンフレット、店舗の看板、ホームページ、Googleマップ(ビジネスプロフィール)の登録など、あらゆる場所に電話番号を記載しなければなりません。

「回線が開通するまで電話番号がわからない」状態では、これらの準備がすべてストップしてしまいます。しかし、法人向けの光回線サービスを早めに申し込んでおけば、開通工事の前に「電話番号だけを先に発行」してもらうことが可能です。スタートダッシュを円滑にするためにも、番号の早期確保は必須と言えます。

3. 店舗ビジネスにおける「ネット未開通」の恐怖

もし、インターネットが繋がらない状態で店舗のオープン日を迎えてしまったら、どのような事態になるでしょうか。

  • キャッシュレス決済が使えない: クレジットカード決済やQRコード決済の端末は、ネット環境(Wi-Fiや有線LAN)がなければ動作しません。「現金のみ」での営業を強いられ、オープン直後の貴重なお客様を大量に逃すことになります。
  • 予約システムやPOSレジが動かない: 現代のレジや予約管理はクラウド型が主流です。ネットがなければ、予約の確認も売上データの管理もできず、現場はパニックに陥ります。

「モバイルWi-Fiで一時的にしのげばいい」と考えるかもしれませんが、混雑する商業ビルや、地下・奥まったテナントでは電波が安定せず、決済エラーが多発する原因になります。最初から確実な固定回線を用意しておくことが、最大の危機管理です。

4. 内装工事との「連携」が必要なケースもある

オフィスのデザインや店舗の内装にこだわりたい場合も、早期の手配がメリットになります。

光回線の配線やルーターの設置場所は、内装工事が始まる前に決めておくのが理想です。内装業者が壁を閉じる前に「ここにLANケーブルを通すための配管(CD管)を植えてほしい」「すっきり見せるためにカウンターの裏にルーター用の棚を作ってほしい」と指示を出せるため、配線が露出しない美しいオフィス・店舗に仕上がります。

内装が仕上がった後に無理やり配線を通そうとすると、壁に穴を開け直したり、床をケーブルが這うことになり、見栄えが悪くなるだけでなく、足を引っ掛けるリスクも生まれます。

結論:物件が決まったら「まず回線」を合言葉に

起業・開業準備において、インターネットと電話は「おまけ」ではなく「ビジネスの基盤」です。インフラの手配を最優先で終わらせておくことで、安心して他の準備(集客や採用、商品仕入れなど)に集中できるようになります。

類似投稿